「愛とか夢とか希望とかまだ信じてんのかよ。いくら何でもその歳で純粋すぎねぇか?」
そんなことを言われて、当たり前に「別に信じてないよ。信じた奴がバカ見るんだよな」と話を合わせて酒を飲む。
人生なんてそんなもん。音楽に夢見て癒されて元気もらってるけど、現実はいつも変わらない。
仕事や人生に疲れてきたある日、たまたま「THE FIRST」というオーディション番組をYouTubeで見た。そのオーディション番組は今まで見たものと大きくかけ離れた内容だった。
主催者のSKY-HIが自腹切って開催したオーディション。その時は「SKY-HI?あのAAAの金髪の?へぇーそんなことしてるんだ。」くらいの感想しかなかった。ただまずその金髪野郎のSKY-HIがオーディションに一番全力なことにビックリした。
立ち上がって歌を聴き、何なら一緒に踊ったりトレーニングしたりする。お金を払ってまで、そこまでする意味が分からない。だってみんな無名の素人なんだぜ?
(SKY-HIはきっと才能ある子達の1番最初のリスナーを買って出たんだな。こいつマジでスゲェ奴かも。なんなら尊敬の域)
そう。どんなに才能があっても、素晴らしい音楽をしていても、受け手がいなければ話にならない。
その受け手が「君、才能ないね。辞めたら?」こう言えばその人のアーティスト人生は終わる。どんなに才能があってもその人は否定されたことに耐えられない。特に若い才能は。
アーティストの最初のリスナーからの一言。その一言が大きく人生を左右するということ。その重要さをアーティストであるSKY-HI自身がきっと1番よく分かっている。
彼自身が沢山嫌な想いをしてきたから、今まで1番言ってもらいたかった事、やって欲しかったことを自分自身でやることにしたんだろうな、そう感じた。
そこからは見方が変わった。
まず、日本にこんなに才能のある子たちが、普通にデビュー出来ずに埋もれていたこと。それを引き上げたSKY-HIの功績はまずデカい。
そして、いずれBE:FIRSTやアーティストになる彼らの瞳はキラキラと純粋に輝いていた。彼は頑なに夢を信じていた。そんな純粋さは歳を重ねる度に廃れ、社会に汚されていく。
でも、オレの中にも昔はあった。
日本国民は何故あんなにも高校野球に熱中するのか。それは、高校野球にしかない純粋さや青春があり、直向きに頑張っている彼らを見ると心洗われた。
その感じにTHE FIRSTのオーディションは近かった。
オレたち大人は結局、本当はずっと青春していたいんだ。彼等にかつての自分を重ね、忘れていた何かが動き出した。
何よりも感銘を受けたのは、個性を潰さないオーディションのやり方だった。
はみ出したり、間違った人がいたら今までだったら落としていただろう。
それをSKY-HIは個性として受け入れた。
そして、オーディションに参加している全員が蹴落とし合いをするでなく、互いに認め合って個性を大事にしようと最大限に努力していた。
その精神は今のBMSGという会社やグループ全体の精神になっているように想う。
こうしたらもっとよくなるんじゃないか?
音楽を中心に彼らは高め合っていた。
そんなオーディションは見た事なかった。
資本主義のこの世の中で、数字だけが全て、実力だけが全ての蹴落とし合いの世界しかオレは知らない。
こんなに素敵な世界があるんだ。
互いに認め合って、否定するんじゃなくて受け入れていく。その人の個性がどうやったら伸びるかみんなで考える。
クリスマス、ハロウィン、イースター。宗教関係なく色んな文化を受け入れ消化して新たな文化を生み出していく日本。
それはまさしくBE:FIRSTが音楽でやっていることだった。
R&B、HIP-HOP、POPSとあらゆるジャンルを受けれて消化し、新たな音楽を生み出しているBE:FIRST。
これは日本人にしか出来ないことかもしれない。
Oasisが再結成して、日本人がイギリスまでコンサートを見に行くように、世界中の人が日本に音楽を聴きにくる日も近いかもしれない。
音楽は国境を超えて、人種や年齢を超えて互いに認め合って、否定するんじゃなくて受け入れていく。それぞれの個性がどうやったら伸びるかみんなで考える。
そんな日が来たら戦争がなくなるかもしれないな。
「愛とか夢とか希望とかまだ信じてんのかよ。いくら何でもその歳で純粋すぎねぇか?」
そんなことを言われ、当たり前のように「別に信じてないよ。でも、本気で世界を音楽で変えようとしてる奴らをオレは知ってる」と。今度からはそう答えよう。
今日も現実は何も変わらない。ただオレも少しだけ夢を見るようになった。
Johnny
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P.S.
ガチの小言ブログでスミマセン。日高が若きアーティストの最初のリスナーになったように、オレのブログや呟きで、今まで誰かが1番言ってもらいたかった事を言えたらいいなあ、なーんて夢見てる昨今。