どーも、ミヤジ時々ケンシが好きなジョニーです。
当方エレカシファンですが、今日は初めて米津先生についての記事を書かせて頂きます。2023年4月5日に公開された米津玄師のMV「LADY」を聴いて、見て感じたことをお話したいと想います。
米津玄師の音楽との出会い
宮本浩次に轢かれるでお馴染みの米津先生。エレカシ・宮本浩次の次によく聴かせて頂いております。こうやって記事で書くことはなかったですけども。
米津先生の音楽との出会いは2017年1月に「3月のライオン」のEDテーマとなっていた「orion」からです。何故か「かいじゅうずかん」も持っています。もともと絵が好きなのでイラスト集とかそういうやつ気に入ったら買ってしまう。
ただ、2017年4月からエレファントカシマシに出会ってしまったので、他の音楽は殆ど聴かなくなってしまったけど、唯一スピッツ、ミスチル、BUMP、Syrup16g、米津さん当たりはちゃんと新譜を追っています。本当に今回の曲も素晴らしい!
MVは白線の上を歩くゲーム
出だしピアノオンリーで藤井風ですか?いいえ、違います。これは米津です。前作の「KICK BACK」からの振れ幅半端ない。シンプルなんだけど米津色ゴリゴリに出てるのがスゴイ。
MVの監督は、山田智和さん。宮本浩次の初のリキッドルームでのソロライブの映像監督や「夜明けのうた」のMV監督も務めている方。米津先生作品でも数多くのMVの監督もされている。
ピアノの跳ね具合といい、サビの連符のメロディーラインといい、この「テンション上がった子供の時にしかやらない白線の上を歩くゲーム」のMV。見ていて爽やかだし、気持ちが高揚する。恋しちゃって、はしゃいじゃって、ルンルン米津なのだ一見。そう、一見。
誰しもに必ず訪れる別れ
ただ、米津玄師の曲ってラブラブハッピーでは決して終わらないというか、最終的な別れを想起させる曲が多い。それは名曲「アイネクライネ」を代表とする終わりから今を歌う歌詞。
あたしあなたに会えて本当に嬉しいのに
アイネクライネ / Kenshi Yonezu
当たり前のようにそれらすべてが悲しいんだ
今痛いくらい幸せな思い出が
いつか来るお別れを育てて歩く
今回の新曲「LADY」の歌詞。
例えばどっちか一人 ひどい不幸が襲い
LADY / Kenshi Yonezu
二度と会えなくなったら
考えた矢先に 泣けてしまうくらい
日々は続く一層確かに
米津作品に必ずと言っていいほどテーマとして現れるこの終わりがあるという「死生観」。これはひとえに米津先生のルーツである「BUMP OF CHICKEN」や「Syrup16g」に影響を強く受けているように感じる。
どうせいつか終わる旅を 僕と一緒に歌おう Happy birthday
HAPPY / BUMP OF CHICKEN
命によって 俺は壊れた いつかは終わる そんな恐怖に
でも命によって 俺は救われた いつかは終わる それ自体が希望
リアル / Syrup16g
終わりがあることをマイナスと捉えるのではなく、終わりがあることを自覚したうえで今を生きることを考える。そこを、誤魔化さずにと描くところにオレも共感を得るし、大好きなアーティスト。
傷すらも愛おしいという究極の愛
米津先生はその「死生観」をラブソングで表現するところが、藤原基央とはまた少し違って面白いんですよ。まずは冒頭の歌詞、
例えば僕ら二人 煌めく映画のように
LADY / Kenshi Yonezu
出会いなおせたらどうしたい
出会いなおしたい何かがあったことが想起されるんやけど、
見え透いた嘘も隠した本当も
LADY / Kenshi Yonezu
その全て愛おしかった
この曲は、偽り、傷、恐らく浮気?(死生観でいえば死に近くマイナスととらえがちなこと)すら愛おしいという一周も二周も廻った愛が歌われてる気がする。想えばずっと米津玄師は、ここ何作か未練の恋を歌っているように感じる。
米津玄師のラブソングは、失恋からも美しさを見出す。マイナスをマイナスのまま、悲恋を悲恋のまま歌わない。悲恋で受けた傷すら愛おしく感じさせる。それは決して恋愛の傷だけでなく、失っていくものの尊さ、命の儚さという「死生観」に直結しており、想い合えたり、生きていることの素晴らしさを時に「ラブソング」というカテゴリーを通して想い出させる。
これはあえて「ラブソング」という聴く人にわかりやすい形で表現しているのかもしれない。
時にその純粋で美しすぎるストレートな愛の狂気
引っ張ったり噛み付いたり 傷ついたふりしてみたり
LADY / Kenshi Yonezu
明日の朝に持ち越したり 浮ついたりして
思いきり傷つきたい いつまでもそばにいたい
今すぐ行方をくらまそう
この後に続く「笑わないで聴いて」「僕の手を取ってくれ」「あの頃みたいに恋がしたい」などの歌詞からも、彼女にいまいち伝わってない感を感じる。“あの頃みたいに子供みたいに恋が出来なくなってしまったこと”を歌っていて、まるでLADYが幻のような、そんな印象。
だから、MVの終わりも夢落ちという終わりになっているのかなと想ったんよね。このMVのルンルン米津や、ジャケットの爽やかさから想うと、本当は切なさを歌っているとしたらとちょっと狂気を感じる。
狂気といえば我らが宮本浩次!みたいなところあるんやけど、ラブソングに関しては底抜けに大真面目にストレートに歌っている気がする。米津先生にお褒めいただいたエレファントカシマシの「Easy Go」や、宮本浩次のソロ「Fight! Fight! Fight!」も、ストレートすぎてもう狂気というか凶器と化してますけど(笑)
エレカシの「こうして部屋で寝転んでいるとまるで死ぬのを待ってるみたい」とか、米津さん好きそうだなあ。
いろんなアーティストを聴き比べてみるのも面白いのでみなさんも是非。
Johnny
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P.S.
エレカシアリーナツアーの大阪城ホールのチケットの特別抽選andトレードは本日4月10日まで!まだの方はお忘れなきやう。