どーも、まぬけなジョニーです。2023年1月16日(月)に、有明ガーデンシアターで開催された宮本浩次のカバーコンサート「ロマンスの夜」振替公演の全曲感想パート②です!パート①を見てない方はこちらからお読みください↓
第三幕 愛を表現できる場所
アンコールという位置付けになるのか、第三幕という位置付けになるのか。縦横無尽ツアーでいうラストのラブソングパートとあたると読みここからは愛を叫ぶパートとしよう。
あなた
ヴィンテージサックスの様な歌声で乙女の祈りを会場に響かせる。ここまで全力で歌ってきたからか、掠れ声だが逆に切なさを引き立たせた。これまで何度も聴いてきたが、今回の歌唱は一番好きだった。間奏の名越由貴夫のギターにも感情が乗って演奏に熱がこもって聴こえる。ミュージシャンは歌声や演奏に想いを昇華させているんだなと改めて気付かされた。
曲が終わり、ここで初めてMCあり。
「皆さんありがとうございます。ロマンスの夜、最終夜。このコンサートずっとやりたくて、計画してて出来なかったんですね。何しろやりたくて、練習して鍛えてたら、風邪ひいちゃって何のために…代替公演。みんな来られなかったけど、きっと皆さん待ち侘びて集まってくれたんだと想います。ようこそ!今更ですけど。なんて素敵な奴らだ!」
「ロマンスの夜」宮本浩次MCより
とミヤジ。メンバー紹介を経て次の曲へ。「暗記してましたね。頭の方は。出だしのところとか印象的な感じで始まります。では、聴いてください。」とエレキギターでの弾き語りが始まった。
恋に落ちて-Fall in love-
大事に大事にまるで花を摘むように歌唱が始まる。ところどころ不安定になる歌唱。泣いてる?少し目がうるうると切ない。
もしも願いが叶うなら 吐息を白いバラに変えて 逢えない日には部屋じゅうに飾りましょう 貴方を想いながら
恋に落ちて -Fall in love- 歌詞
という冒頭の歌詞が印象的と話していた。「あなた」も「恋に落ちて」も「もしも」で歌詞が始まるのは、叶わない夢を想う女性を愛おしく感じる気持ちが強いのではないかと受けた。
2番の英語は苦手なわりにかなり上達してるんじゃなかろうか。この曲も狂気な歌詞ではあるけれど、宮本浩次が歌うと純粋な真綿に包まれているような感覚。不思議すぎる。ロマンスの夜でのピークはここかなと感じた。
恋人はサンタクロース
季節外れのサンタクロースがやってきた!「まるで少女のようだ!」と想ってもいない褒め言葉を添えて(笑)少年もいるぞ!適当なことを言ったからか安定の歌詞忘れタイム。「さすが俺!」と一言言い放ち会場爆笑。小林武史爆笑。
会場のみんなが歌って歌詞を教えようとしたら「みんなバラバラですね」といい放ち「歌詞みちゃおっかなー!」と裏にはける。お茶目か。歌詞を見ても歌詞が危ういミヤジ、さすがです。きっと、クリスマス前に会場のみんなに歌のプレゼントがしたかったんだろうな。
木綿のハンカチーフ
今回のカバーコンサート「ロマンスの夜」のモチーフになったであろうこの楽曲。電車のSEと共に小林武史のピアノで前奏がはじまった。「ロマンスの夜」は電車に乗って色んなカバー曲の駅に止まる、いわば宮本浩次とバンドメンバーとお客さんとの旅であった。その旅に参加できたこと何よりロマンチックで嬉しく想った瞬間。
カバー曲は全編女唄であったが、この曲は愛しい恋人へのラブレターを送り合う男女の掛け合いとなっている。そう、ここで初めて男性が登場するのだ。女性に対する憧れと尊敬の詰まったカバーの世界。そんな女性たちに、一生懸命に格好いいところを見せようとする男性の姿が浮かんだ。
すれ違う男女の想いに儚さと切なさを乗せて、ロマンスの夜号、最後の駅へと到着する。
唯一のオリジナル曲と男唄
冬の花
ジャケットを脱いで白いシャツのみで颯爽と現れたミヤジとバンドメンバー。アンコールは唯一のオリジナル曲「冬の花」。歌謡曲にインスパイアされて作られたこの「冬の花」は、今回のカバーコンサートのセットリストに組まれていても何ら違和感はなかった。
むしろ、この楽曲を聴かせるためのお膳立てであったと言ってもいい。大絶唱して歌うこの楽曲はとても宮本浩次に似合っているし、お客さんから湧き起こる拍手に堂々の佇まい。終盤なのに声量がハンパなく、歌唱力に圧倒され尽くした。盛大に舞う赤い花びらがロマンスの夜の成功を、歌手・宮本浩次を祝福していた。圧巻。
カサブランカ・ダンディ
どういうことなんだ!ここまで乙女全開で来ておいて、お客さんに5重丸まであげといて、いきなり平手打ちで張り倒されるって。何なんだいったいこの人は。ってか、そもそも演奏が格好良すぎる。名越由貴夫のギター最高やん。
女の強がりの美学を歌ったかと想えば、真っ向から男のやせ我慢の美学出してきた。無茶苦茶にカッケェ。伊達にエレカシで男唄ばっかり歌ってない。素で女張り倒しそうな一面も持っているミヤジ。エレカシを見てる人は違和感がなかっただろうけど、乙女ソング可愛いミヤジしか知らない人は戸惑ったかもしれない。一曲で空気を変えるミヤジの歌唱力の高さを改めて感じた。新たな可能性も見えて、この夜の締めにはすごく良かった。
ロマンスの夜、終演
メンバーと抱き合い握手。新加入の須藤さんは遠慮してミヤジと握手のみ。気づいたミヤジ、わざわざ後でハグし直しに行く律儀さ。メンバーも笑顔。お客さんも笑顔。「もう終わりかい!?」と言いつつ「練習してないから…終わりまーす!」と、まだまだ歌いたい気持ちにうしろ髪を引かれながら、満面の笑みで宮本浩次はステージを後にした。会場のお客さんは、幸福と余韻に包まれてマスクの下にはきっと笑みが溢れていたに違いない。
ロマンスの夜、これにて終演。次は全体的な感想です。